A comprehensive guide of Wizardry version 0.9.2

えー、ここでは米国やカナダのSir-tech software社 (今はSir-tech Canada)の名作 Computer-Role-Playing-Gameである、WizardryシリーズとHeuristic Park社のWizards & Warriorsに関して頭の悪い管理人が吠えまくるページだ。
この文書は常に改変・更新されます。

このPAGEからのbonz先生のwebpageのURLが間違っていました。3が抜けていたみたいですね。しかもdngirlとかいうヘンな所に繋がる....

「SさんのRPG愚痴部屋」を製作されていたSさんの書かれたWIZ8関連記事があまりにも素晴らしいので、Sさんに許可をとってUPすることにしました。

Table of Contents

WIZARDRY以前のCRPG歴史みたいなもの

ミニコン、汎用機、大型機時代のCRPG

本当はRoguelikeについては色々と書きたいことが山ほどあるんだけど、 専門的にやってない糞タコの私が偉そうなこと書いたら広域的TCP/IP空間上から抹殺されそうなので、 またの機会にしておきます。OMEGAとか*bandでみっちり遊んでないしな。

高品質なprogramを生み出すUNIXの世界では早くも1970年代にRogue系のゲー ム(UNIXなのだから当然Cで書かれた)が流行った。(流行った流行ってないってのは適切な表現ではありませんな。だってUNIXの人達は他人指向じゃないもんね。)

現在でもRogue系のゲームはNethackやCrossFireなどが人気を集めています。 計算機資源をちっとも消費せずに面白さを実現する良質コンピュータRPGの最初にして最後の砦ですな。(MORROWINDを体験した後にこの考えは変わった。何故ならば計算機資源を激しく消費しなければ実現できない面白さがMORROWINDにはあるのだ。後述することになるWIZARDRY8も同様だ。)

ちなみに昔のUNIXの世界では(今でもBSDでは) ネットワーク上にソースコードを置いといてプログラムを走らせたい奴は 「勝手にダウンロードしてコンパイルしてリンクして設定書けゴラァ。」とい う感じだったそうだ。(トルネコの大冒険はRogueを元にしてドラゴンクエストのキャラクターをくっつけて商業作品にしたものです。)

1979 ULTIMA 0 AKALABETH; 1980 ULTIMA 1

一方、UltimaやWizardryはマイコン文化の申し子である。 AppleIIの貧弱な環境でも走るように作られたそれらのゲームは、画像はとても今時のゲームに比べれば 貧弱に感じるかもしれないが、「主記憶装置(main memory)が64kで大容量!!」とかそんな時代である。

あのボロいグラフッィクは意図したものではなく、当時としては最新鋭だったのである。なんたって色付きでゲームを出すこと自体が大変だったのだから。

Ultimaの元になったアカラベス(akalabeth)は1979年にRichardによって自費出版された。最初のモノはBASICで書かれていたらしい、後に機械語で書き直すことに.....

1981 WIZARDRY Proving Grounds of The Mad Overlord

WIZ1 title

一方、Wizardryはプログラムをやりすぎて学業に手が回らなくなり、コーネル大学を 放校寸前になったTREBOR(Robert Woodhead)と優等生のWERDNA(Andrew Greenberg)がPascalでソースコードの 大半を書いた。こちらの初リリースは1981年である。

TREBORもWERDNAもかなりProgramの腕は凄いらしく、 国産家庭用汎用電子計算機日本語環境(日本製のパソコン)への移植の際にも 殆どソースコードの書き直しはなかったらしい。TREBORはMACのアンチウィルスのプログラムなんかも書いていたそうだ。

中身については今更何も言う必要もあるまい。日本のCRPGの多くはこの作品を手本、目標とした。あまりの完成度の高さに二十年以上経過した今でもこの作品をちょっと改良しただけのゲームが市場を賑わせている。

ここだけの話だけど、ドラクエ3がシリーズ最高傑作なのってWIZとUltimaから参考にしている部分の比率を徐々に増やして行ったからだと思うのだよね。ドラクエ5の失敗で堀井雄二の得意とするナニワ節の実装はCRPGを面白くするのに何の関係もないということが証明されたと思う。6以降のあの、ネタ切れ状態はWIZやULTIMAからあれ以上摂取すると日本の家庭用ゲーム機ユーザーには敷居が高すぎて、理解できなくなるから「ぶちスライム」なんだと思う。あの話のFF的な展開の仕方もドラクエというタイトルに泥を塗ってるような気がする。堀井雄二よりも中村さんとか内藤さんとかの方が僕は好き。

1982 WIZARDRY 2 KIGHT OF DIAMONDS

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二作目って言うよりは前作の追加シナリオという感が否めない。前作を持っていないとちゃんと遊べないからだ。

正確に言うと、新規に作成したキャラクターではなく、前作のデータを移行して遊ぶことが前提になっている。 いきなり強い敵が出てきて、迷宮の構造の難易度も最初から高い。

しかし、ただ質問に答えさせるだけの謎解きが面白くない。 これならThe Bard's Taleとかの方がいいな。 ファミコン版は全面的に改変されて誰でも遊べるものとなっている。

何故かファミコン版だとIII扱いなんだよね。理由は既にシナリオ3が2として発売されていたから。 汎用電子計算機版と同じように、前作からの移行で遊びたい人は、いちいちターボファイルを買わなきゃいけないけど、これはハードの特性上の問題で、避けられない。まあ昔の計算機は糞高かったから、ファミコンユーザーの人のこれくらいの出費は仕方がないね。

1983 WIZARDRY 3 LEGACY OF LLYLGAMYN

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wiz4_opening2

この作品でAPPLE II版のインターフェースはかなり改善された。これも追加シナリオ形式。 ただしキャラクタは一から作りなおすスタイルで、転送してもレベルは低いまま。

前作に較べると転送のメリットは下がっているけど、忍者やロードで最初からやりたい人は転送を利用すべきだ。 前作や前々作のキャラクタの子孫という設定になる。

また、AppleII版のこのシナリオにはストーリー紹介のオープニングのようなものも付いており、これが中々渋い。 私、PSとかで出ているWIZもどきのジャパニメーション調グラフィックが気に入らないんですけど。 登場人物全員十代。気持ちわりぃ。いくらゲーマーにアニメ気違いが多いからってあれはやり過ぎではなかろうか。 ああいうのは結果的にユーザーを減らすからやめたほうがよい。

肝心の中身は、前作をも凌ぐ高難度と善悪それぞれ2チームを編成しなければいけない意地悪さが目に付いた。私はダンジョン内のメッセージやアイテムの名前とかが結構好きである。石の中にはまるトラップなどもなかなか。 この2チーム以上編成しなきゃならないって所がWIZARDRYをCRPGなのかゴロツキ軍団監督ゲームなのか良く解らなくしている所以である。裏技みたいなものを駆使すれば1チームでもコンプリートできるんだけどね。

1987 WIZARDRY 4 THE RETURN OF WERDNA

最初の難関地下8階での警告:

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これがハッタリではない事を嫌と言うほど思い知ることになる......

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この作品から、初めて核となるゲームデザインにTREBORとWERDNA以外の人間が加わった。このシナリオとマニュアルのデザインをしたのがROE III ADAMS氏。ADAMS氏は後にPLAYSTATIONで「東京ダンジョン」とかいうゲームを監修したらしいが、 あいにく私は遊んだ事がない。

個人的には旧作WIZARDRYでは一番長く楽しめる作品だと思う。シナリオ1でアイテム収集に興じるよりも、「如何に変則的な軍団編成で地下*階を突破するか」、とか「なるべく階の往復をせずにコズミックキューブに突入する」とか、「禿げカツラ無しでソフトークオールスターズレスワンを撃破する方法」等を考える方が私にとっては面白かった。

しかし、このシナリオはその難易度の高さ故に、とても評判が悪い。おまけに皮肉や諧謔を理解するための敷居がとても高く、ファミコンから入ったユーザーには「糞ゲー」扱いされても仕方が無いのかもしれない。

WIZARDRY4も色々なバージョンが出ているが、私が最初に遊んだのはPCエンジン版であった。その後、IBM版、APPLEII版、PLAYSTATION版などで遊んだ。

このシナリオで遊んでいない人に一言申し上げたいのは、どんな計算機環境で遊ぶにせよ、必ずパソコン版の説明書を読破してから遊ぶことである。PCエンジン版やPLAYSTATION版の説明書は、ゴミ屑以下である。ゲームで遊ぶのに必要なことがちっとも書かれていない。本当に家庭用ゲーム機版WIZARDRYのマニュアルは出来が悪い。これは日本のゲームメーカーの移植担当者達にとってはWIZARDRYの基本的なルールや発想が常識だったということだ。そして自分達にとっての常識がそのまま製品の購入者にも通用するだろうと考えていたからだろう。それは間違いである。

このシナリオで遊ぶ人間の心構えとして、以下のような文章がパソコン版の説明書には書いてある。

WERDNAへの警告

WIZARDRYに関して、どれほどあなたがエキスパートであると自負していても、このシナリオで何が起きるか、すべてわかっているなどと思ってはいけません。あなたにわかっているはずがないのです!神様だって、すべてをお見通しというわけではありません。我々はこの"The Return of Werdna"を、エキスパートの方々のための、悪魔の技とも思えるような試練とするために、長い時間をかけてきたのです。

---後略(続きは購入してから読むべし)---

WIZARDRY4を遊ぶ上での前提条件として、シナリオ[1-3]を死ぬほどやり込んでいること、ちゃんとパソコン版の説明書を熟読していることに加えて、WIZARDRY4を完全に楽しみ、皮肉や諧謔を理解するには以下のことが必要だと私は思う。

ダンテ著「神曲」を読む

本の名前は旧文部省管轄の試験にも出るので、名前だけは普通の日本人にも有名だが、読んだこともないし中身を知らないで作者と作品の名前の組み合わせを試験で解答する訓練ばかりやらされている人が多い。

私は数年前に、今では上智大学のでーがくいんで心理学をやってるらしい(というか、文学部心理学科っていう学問分類は人を馬鹿にしてますか?心理学ってオブンガクなんですか? 教えて下さい文部科学省のエロいヒト!)知性ある(らしい)CDSのゴーン族の王女みたいな女性とこんな会話をしたことがある。

ゴーン族王女もどき女:「赤ちゃん天使とかってかわいいですよね。」

私:「ああいうのは日本人だけが勝手に誤解した天使で、本当はもっと怖いんだ。天使と悪魔は元は同じなんだぜ。」

ゴーン族王女もどき女:「そうなんですか、どこでそんな情報を仕入れたんですか?」

私:「どこって、図書館でちょっと神曲の絵本をざっと一通り読んだだけなんだけど。」

ゴーン族王女もどき女:「へー、すごいですね。(あんた暇人だね。)アタシ神曲の名前しかしりませんでしたよ。(時間は無駄に使わないのよ!)」

いまから考えれば、こういう質問に真面目に答える私が馬鹿だったのである。まあ、ゴーン族王女もどきでなくて普通の女の子だったら「うん、そうだね。DAKARAのCMとかいいよねー。なんか、喉乾かない?」とか言ってたのかもしれないけどなあ。現代日本人の標準的な女性は男との関係を構築する事に直接関係のないことには興味を持たないのだ。

普通の、日本人は糞尿CRPGをやってみたりするけど(決して、夢中にならずに)、神曲なんか読まずに一生を終えるのだ。(だから日本人は猿扱いされるのだ。)だが、ちゃんと中身を理解していればWIZARDRY4をやっていても笑えるのである。

WIZARDRY4ではダイレクトにネタが出てくるが、他のCRPGをやるにしてもこの本を読んでおけば役に立つだろう。こういう事はとても大事だ。この書は販売実績はともかく、とても有名で、日本でも沢山の出版社からいろんな訳者で出ている。初めて宗教色の強い本を読むという方はイメージが沸かないだろうから絵入りのものがよい。ついでに言うと岩波は糞だ。

実は神曲を読んでも、基督教そのものには詳しくなりません。ダンテという人が生きていた時代の基督教を中途半端に信じていた人の思考体系が身につくだけです。本当は地獄も煉獄も天国も基督教にはないのです。天国とか地獄ってのはカトリックの偉い坊さんが無理矢理にでも布教を進めるために考えた仮想の装置なのだそうで、旧約聖書や新約聖書のどこにも書いてないそうな、最近小室直樹の本を読んで知りました。イスラム教には(男にとっての)天国らしきものがあるらしいけど。(仏教の極楽とか地獄も、釈迦の発見したダルマとはなんの関係もなく、布教のための方便なのだそうです。)

私自身は旧約聖書も新約聖書もちょっとしか読んでいないし、コーランに至っては旧文部省様の御高説程度にしか知りません。でもとてもじゃないけど一神教の神様は怖くて、信仰する気になれません。でも日本のCRPGがいくら頑張っても、糞尿アニメCRPGにしかなりえないのは宗教に対する無理解から来ている事ぐらいは容易に想像がつきます。宗教が入らないと人間の生活がリアルに描写できないのだと思います。

モンティパイソンのホーリーグレイル等を鑑賞する

モンティパイソンとはイギリスの有名なお笑いグループである。風刺や皮肉の要素が強いので(普通の)日本人には理解しにくい。ビデオが沢山出ている。DVDもあるのかな?

ユダヤ教やカバラに関する知識を....

世の中便利になったものだ。本なんか買わずに、WEBでちょこちょこと検索すれば良い。MRONのお告げでダイレクトに指摘されるのだが。また、BONZさんのPAGEを観るのも良いかもしれない。

アメリカの70年代ものの刑事ドラマ?だと思うのだが.....

これは英語でやっていて初めて気が付いた。この元ネタはよくわからない。ゲーム中で見付かるクレジットカードの違法使用続けていると.....

そうそう、WEBPAGE作成者から重要なアドバイスだ。

「必ず方眼紙とペンとメモ用紙を用意してから遊べ!」

とにかく、マッピングを自分の手で作業していくことが大事だ。攻略本を買ってきてマップを観ながら遊ぶような根性無しは、8階の地雷で爆死するのが関の山だろう。マッピングの作業自体がヒントの一つなのである。

Wonder Witchを持っている人はBonzさんが開発したマッピングツールを使うという方法もある。

「英語ができなくても御神託は英語と日本語の両方で訊きな!」

Sir-techの社長であるMRONの御神託は、本当にどうしようもない糞な内容から重大なヒントまで網羅する御神託で、非常に散発的なものだ。手動によるマッピング作業と、御神託の文言解釈と、身を削るような脳内戦闘シミュレートを重ねに重ねて初めて道が開けるのである。

フォア・チューンが移植作業を担当した国産汎用電子計算機版WIZARDRY4の日本語の訳は素晴らしいものだ。だが、原文と比較すると「わかりやすい日本語」に直したために磨り減ってしまった意味のある部分もある。特に御神託のヒントは英文の方が解り易い。

幸い、国産汎用電子計算機版なら(本物の奴なら)英語版と日本語版は切り替えることが可能だ。日本語の御神託が意味不明だった場合、英語に切り替えてやってみよう。そうすれば道は必ず開けるのである。

1988 WIZARDRY 5 HERART OF THE MAELSTORM

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このシナリオからDavid W Bradleyがメインのデザインに加わり、TREBORが抜けている。WERDNAが加わったのもこの作品が最後だ。

旧WIZARDRY似非原理主義者の方々の中には「5が最高で、BCF以降は作者が違うのだ!」などと誤認している人もいる。 だが、5,6,7は同一の人物、David W Bradley氏によるものだ。WERDNAも5の製作に参加してはいるが、シナリオは殆どBradley氏によるものだ。

おまけに「ASCIIにつくらせろ!」とか見当違いな事を言う人もいる。
本物の旧WIZARDRY原理主義はシナリオ1-4までしか認めず、5は中身が豪華過ぎてWIZらしくないという立場の人が大方だ。

私に言わせれば両者ともナンセンスだ。彼等はProving Grounds of the Mad Overlord症候群といい、シナリオ1の型に固執し過ぎて何が面白いCOMPUTER GAMEかということを忘れてしまったのである。シナリオ1のようなシステムの型を墨守しているだけのゲームであったら、日本の外伝なんかよりTHE BARD`S TALEとかの方がより煮詰まっているし、マップも広くてより長く遊べると思うのだが......

それから多くの外伝愛好者も気が付いていないことだが、WIZARDRY外伝はシナリオ1の派生系ではなく、実はWIZARDRY5の亜流である。外伝が一番色濃く影響を受けているのは、D.W.Bradleyだ。

その証拠に外伝1の呪文体系(MAGIC SPELL SYSTEM)は5でD.W.Bradley氏が新規導入したものが、かなりの割合で反映されている。外伝1の戦闘はこれらの呪文体系なしに成立させることは難しい。また、武器やモンスターの射程範囲等の概念も同じだ。WIZ5からの長距離、中距離武器の導入が一体どれだけ国産WIZARDRYに影響を与えているか、外伝マニアの方々は考えたことがあるのだろうか。

そして、NPCとの交渉とか、そういう戦闘とMAPを埋めていく作業と無関係な部分は、見事に削られたのが外伝シリーズなのである。外伝では4作目でNPCとの交渉がようやく実装された。だが5の交渉システムを更に進化させたBCF、CDSが世に出でから4年も経過していたにもかかわらず、外伝4のNPCとの交渉システムは5のそれより劣っていた。

はてさて肝心のシナリオ5の中身を[1-3]との比較で挙げていこう。

不定形になった迷宮

これによって1-3に比べてかなり難易度が向上した。(4には遠く及ばない)正確に言うとマッピングの手間がよりかかるようになった。 いままでの正方形の迷宮が不自然なのかもしれない。私は不定形の方が好きだ。初めて下の階に降りて行くときの緊張感がたまらないのである。でも4の難易度なら迷宮は不定形でないほうが良いな。

Spell(呪文)体系の微妙な変更

魔術師系呪文と僧侶系呪文の2大体系であることは相変わらず。低レベルの集団攻撃魔法や召喚魔法[某国産CRPGもどきのものとは違って、戦闘終了まで一緒に戦ってくれるし、被召喚者が死ぬこともある。某国産CRPGもどきの召喚魔法というのは実質的に召喚魔法ではなく、「1ターンだけアタシ達の代わりに攻撃して下さい魔法」である。]、ロクトフェイトの効果の変更などが挙げられる。新しく増えた呪文はどれも強力で、使いでがある代物であった。このシナリオでは間接防御のSpellが非常に重要で、特殊な武器や防具を持たせなくてもSamuraiやLordが充分に強く、軍団内での価値が1-3より高いと言えよう。

より面白くなった鍵の掛かった扉、隠し扉(secret door)の扱い

従来のシナリオでは必要なITEMを所持しているだけで特定の場所を通り抜けることができる仕様であったが、5からは鍵の掛かった扉では様々な手法を試して鍵を解錠しなければいけない。腕の立つ盗賊にやらせるもよし、魔法を使うもよし、勿論特別な扉では特定のITEMが必要になる場合もある。

隠し扉も灯りをつけただけではだめで、探さなければ発見できず、扉として機能しない。5や日本の外伝などからWIZARDRYに入った人がシナリオ4の最初で躓くのも納得できる。

攻撃rangeの複雑化

pole、ハルバード(spellわかんねえ)などは中距離武器で後列にいても敵の前列を攻撃可能で、前列のキャラクタが装備していれば敵の後列までこちらの攻撃が届く、bowなどは遠距離武器で何処にいてもすべての位置にいる敵を攻撃可能だ。
当然、敵も後列の軍団構成員に攻撃をあてる能力のあるものが存在する。つまり、このシナリオから常に後衛に配置させるMAGEのARMOR CLASSも重要になったということだ。

より深く交流できるNPCの登場

従来までの作品は特定の場所に行くと特定のメッセージやアイテムを出したり、アイテムをもっているかいないかでちょっと条件分岐の反応が異なる。という程度のものだった。

5からはUltimaのNPCのようにもっと複雑になった。会話も単語だけでなく、キーボードから文章を入力するもので昔風のアドベンチャーゲームみたいでとても斬新だった。

ゲーム本筋と関係ないことを尋ねても反応してくれたりするのがうれしい。しかもこちらの取った行動で相手の態度が変わったり、盗賊のNPCなどはアイテムを盗んでくる(こちらも盗みを試みることが出来る)。勿論アイテムの売買も可能。

だがSFC版やPS版はキーボードがないので会話の進行がフラグに依存しており、かなり面白みに欠ける。あそぶなら絶対、パソコン版だ(近年新しく出たニューエイジオブルリガミンの奴は試していない)。当然、NPCは戦って殺すことも出来る(復活はカント寺院で)。このNPCの存在がWIZARDRY5をシナリオ1の呪縛から少し解き放たれた作品にしている。

こういう要素はULTIMAの方が確実に進んでいる。(ファミコン版とかは駄目だけど)「店から武器を盗んで衛兵と戦闘、逃亡して....」とかそういうことはドラクエでやFFでは一切合切できないのはどうしてだろう。

1990 WIZARDRY 6 BANE OF THE COSMIC FORGE

ゼイゼイ。やっとBCFまで辿り着いたよ。

David w BradleyのWIZARDRY第二弾、"BANE OF THE COSMIC FORGE"だ。直訳すると「宇宙的万年筆の呪」ってとこですかね。

Brenda Garno著 BANE OF THE COSMIC FORGE PLAYER'S GUIDEより引用

-----前略-----

異教の神を魔法の力で打ち破った彼等は、その最後の命乞いの言葉に聞き入った。それは魔法のペンとその力、筆先によって言葉が紡ぎ出されると、それが宇宙の中に永遠に織り込まれ、書き記されたことが現実となるという魔法の力について語った。

-----後略-----

この作品の凄いところは5で、もう充分に煮詰まりすぎの状態であった旧来からのシステムからやっとこさ脱却を図ったというところだろう。

そしてその試みは見事成功し、8を除く汎用電子計算機向けWIZARDRYの販売本数はBCFがトップだ。英語版、日本語版、ドイツ語版、ロシア語版、中文版......が製作/販売された。

では変更点を挙げていこう。

いったん冒険に出たら引き返せません!

WIZARDRY[1-3,5]では、PLAYERが結果的に行うのは様々な冒険者軍団全体の監督で、一人一人をROLEPLAYするという事にはなっていなかった。だってほら、ある冒険者軍団が全滅したら、別の冒険者軍団を編成して死体を回収しに行くでしょ?

BCF以降では違うんだな。PLAYERが担当するのは特定の冒険者軍団の専属監督だ。もう「棺桶行進してもカント寺院に着けば一安心」というわけにはいかない。休憩地点を確保したり、売買の相手を探すことも冒険のうちだ。

5でやったみたいに、むやみやたらにNPCを虐殺するべきではないね。(それでもゲームは進められるけどね)ところで、キャラクタを一人だけで単独潜行すれば、そいつ本人をROLEPLAYすることが可能だ。

(アイテムの持てる数の制限などでBCFでこれをやるのは殆ど不可能、CDSなら地べたにアイテムを置いておいても消えないので充分可能)そういえばBCFは最低二人は冒険者がいないとゲームを開始できなかったと記憶している。

新しい種族と新しい職業

旧WIZARDRY原理主義者の方々の中にはこの「新しい職業」と「新しい種族」があると聞いただけで目眩がして蕁麻疹が出る人もいるという。「指輪物語」から逸脱しているからだという。アホじゃねえか。村正がどうのとか言ってる奴の発言とは思えない。

とにかく、David W Bradleyが考えてくれた新職業と新種族のお陰で一段とWIZARDRYはその世界観に深みが増し、軍団編成も面白くなった。

安田均と矢野徹が「FIGHTER三人にPRIEST三人、これが最強。」とか言ってたけど、こんな面白みに欠ける軍団編成でゲームをしても楽しくないだろう。それに、シナリオ1で宝箱を開けるのを別のPARTYにやらせるという前提でのみ通用する軍団編成だ。

こういう無節操な人の極端な意見ばかりがまかり通るのが日本の自称WIZARDRYフリークの集団なのである。こういう人達に販売する目的で作られつづけているのが国産の「WIZARDRYの名前だけつかわしてもらいました」ゲームである。

新たな呪文体系

体系は一新された。呪文書の体系にはMAGE'S SPELLBOOK、PRIEST'S SPELLBOOK、ARCHEMISTS' SPELLBOOK、PSIONIC'S SPELLBOOKと四つ基本職を中心とした体系がありFIRE(火)、WATER(水)、AIR(気)、EARTH(土)、MENTAL(心)、MAGIC(魔)の6つの領域が存在する。

STAMINAやHEAL WOUNDSなどの基本的な呪文は何も考えずに冒険者軍団を編成していっても、そのうちの誰かが習得するだろう。しかし、NUCLEAR BLASTやDEADLY AIR、DEATH WISHやMIND FLAYなどの超強力なものは特定の呪文書の体系のキャラクタしか憶えることができない。

BCF以降ではSPELLの習得もレベルアップ時の選択と、BOOKによる学習でなされることになる。BOOKで憶えられるものは片っ端からBOOKで憶えて行くことが秘訣だ。ちゃんと対応する領域のスキルを上げておくこと。

重量の概念

今までのWIZARDRYはITEMの個数だけで所持の制限をかけていたけど、今回からは重量の概念が加わり、バックパックも追加されたので、妥当になった。フルプレート5つとかは普通の人間じゃ持てないしね。ところで思春期の少年少女がはきちがえたデザインにせよ、フルプレート装備してメイスをぶんまわしてたりする日本のアニメCRPGもどきっておかしくない? それともあれ、アニメ顔で筋骨隆々なんですかね。ありえねえ。

重量制限の値はキャラクタのSTRENGTHとVITALITYの値で決定される。 あ、そうそう、CDSや8ではレベルアップするとSTRENGTHとVITALITYの値に応じて制限重量が増えるけどBCF(汎用電子計算機版)だとキャラクタメイキング時に決まってしまって変化無しだからね。LIZARDMAN-FIGHTERの価値が高いのはこういうわけです。SFC版ではどうだったかって?申し訳ないけどSFC版は二回ぐらいしか遊んでないので忘れました。

おおっとまた忘れていたよ。重量制限って言ってもMORROWINDみたいに過重量状態だとその場から動けなくなるってわけじゃないんだ。BCFでは過重量でも行動はできる。ただ無茶苦茶疲れやすくなってしまうのだ。(STAMINAの消耗が激しい)

再びBCF PLAYER'S GUIDE(Brenda Garno著)から引用

すべてのキャラクターは、その種族やストレングスなどの要因によって、行動に支障をきたさないで持てる荷物の重量が定められています。もしキャラクターがある程度以上の重さの荷物を持った場合、戦闘時にモンスターの攻撃を受けやすくなるなど、いくつか不利な点が生じます(詳しくは戦闘の項を参照)。少なくとも、スタミナをかなり消費することだけは間違いありません。キャラクターのレビュー画面のCC(CARRYING CAPACITY)の数値で、現在キャラクターが限界に対してどの程度の荷物を持っているかがわかります。

攻撃方法の複雑化

命中判定(TO HIT)に加えて貫通判定(TO PENETRATE)が導入された。今までのWIZARDRYではどんなに装甲を厚くしても、命中してしまえばその武器が持つダメージは確実に被ってしまうが、BCF以降では命中(HIT)しただけでは駄目で、相手の装甲を貫通(PENETRATE)しなければダメージを与えることができない。

また、攻撃の方法も従来作ではランダムに決定されていたが、BCFからは武器やその場の状況に応じて適切に選択していくようになった。

As compared to Swing:To Hit:命中To Penetrate:貫通Damage:ダメージ
Thrust(突く)-2+1+1
Bash(叩く)Same-1+2とStrengthの影響
Melee(乱闘)-4-4Double
Throw(投げる)-1+1Same
Punch(殴る)+1-1Same
Kick(蹴る)-2Same+2とStrengthの影響
Lash(鞭打つ)+2-2Same
Shoot(撃つ)Same+2Same

だからFIGHT,FIGHT,FIGHT,PARRY,PARRY,PARRY....の繰り返し戦術ではもう駄目なのである。BCF以降を忌み嫌う人は、戦闘に必要以上に頭を絞りたくないらしい。簡単にリセットをしてしまうからそういう癖がついてしまうのだ。

SKILL制の導入

一番大事なことを忘れていた。SKILLだよ。この制度のお陰で「全部能力値(ATTRIBUTE)を18にしてレベルあげまくって終わり」からようやく脱したのである。あん?「全部SKILLを習得して100にしたら終わり」だって?そりゃそうだが、あんたそこまで真面目に上げなくてもコンプリートできるよ。(全部100にするとBCFではハマッてしまうので注意!)

ともかく、冒険を進めるにあたって習得し、極めなければいけないSKILLが何か、どの職業に何のSKILLがあるのかを手っ取り早くつかむことがBCF以降では大事だ。また、SKILLによってはLEVELUP時に割り振らなくては上昇しないもの、武器を振ってるだけで上昇するものなど、極め方が微妙に異なる。そういう特性をつかむのも大事だ。

上記の他にも、限が無いほどBCFの変更点は沢山ある。何度も言うが従来の作品で遊んでいた人やSFC版、SATURN版、PS版CDSなんかで中途半端に新しいWIZARDRYを体験した人は最低でもBCFのPLAYER'S GUIDE(128page)(BRENDA GARNO著)を三回くらい読んで欲しい。

家庭用ゲーム機版の説明書はカラーで観やすいけど、いかにもファミコンライクな感じで駄目。何よりも読んでいてユーモアを感じない。最初に作った冒険者軍団の一団が、ドブ鼠どもに虐殺されたからといって、投げ出さないこと。現実のドブ鼠だって病気持ってるし結構強いよ。軍団編成の練り込み方、冒険の進め方についての考察、そして「このゲームに対する馴れ」が足りないのだ。

1992 WIZARDRY 7 CRUSADERS OF THE DARK SAVANT:この項目はまだまだ建設中です。

遂にCDSまで来た!

「旧WIZARDRY原理主義者」はBCFの説明の冒頭あたりでBROWSERのBACKボタンを押してるだろうな。だからもう奴らに遠慮することはないのだ。ガンガン書きます。

BCFからCDSになって以下の点が変更された。:

前人未到のNPCシステム

このCDSのNPCシステムより素晴らしいものに出会った事が無い。NPCの中には自分から行動するものが居て、なんと、PLAYERの操る冒険者軍団が移動する度に彼らも常に移動しつづけ、宇宙の覇権を左右する重要ITEMに到達する手掛かりを探っているのだ。

しかも、移動するタイプのNPCは異なる軍団同士だと交戦したり、アイテムの奪い合いを展開するのである。

日本のCRPGでイベントが進行してNPCが死ぬのとはわけが違う。彼等は本当にちゃんと交戦するのだ。

放置しておくと強力なNPCに比較的弱いNPCが殺され、アイテムも強力なNPCに集まる。どう対処するか(盗む、殺す、買い取る,etc.)を楽しんでも良いし、NPCに重要ITEMを集められるまでもなく疾風の如く駆け巡ってもいい。

残念なことに8ではこのシステムは取り上げられなかったようだ。徘徊型のNPCが動的に行動して、重要アイテムを持ち去ったり、NPCで取引をしたりして、その結果がゲームの進行に重大な影響を及ぼすという事が無くなった。

8は総合的に評価すれば全WIZARDRYシリーズの中で一番面白いが、この点だけはCDSに及ばない。

もっとも、このCDSのNPCシステムの特徴を楽しんでいるのはCDSを終了させることができたプレイヤーの中でも3割ぐらいだと思う。大多数の人達は「XXがアイテムを持ち去っちまって空箱ばかり、ムキー!!!」という感想のようだ。だが、このアイディアはもっと練りこませて実装したら相当面白いものとなっただろう。

宝箱の罠の解除の複雑化

BCFの罠の解除はWORDパズルっぽいものだったが、CDSではデバイスを順番に一つ一つ解除していかねばならない。5の地下一階でモーターを止める作業をしたのを憶えているだろうか。あれを更に複雑にしたものだ。私はこの罠の解除作業が非常に楽しかった。だが、この罠解除システムはSKILLが低いとPLAYERが予測で対処しなければいけない曖昧さの度合いが増すのである。そのため、指先技(SKULDUGGERY)のSKILLが低いと目も当てられない事態になる。

呪文システムの若干の変更

7になったのでパワーレベル7で唱えることができるようになりました。万歳(マンセーでなく、バンザイ)。調子に乗ってNUCLEAR BLASTをいきなりLEVEL7で使って、ものの見事に暴発して全滅の危機に直面するのである(笑)。パワーレベルはSKILLやレベル相応のものにしておこう。

また、SUPER MANやRESTFULL、HEALFULLなどの8でも大活躍するSPELLがCDSで新たに追加された。そしてCDSのNPCシステムと連携して重要なSPELLであるFIND PERSONがある。

単独潜行できるぜ!

CDSと8ではたった一人で冒険が出来る。まあ大抵の人は忍者でやるだろうな。理由はBCFやCDSでの忍者の全体ACの低さと、鬼のような強さだ。

本当に忍者の強さを思い知るのって4とBCF以降だけだよな。単独キャラクターPLAYはCDSでは激ムズだが、8は結構楽らしい。(8で単独潜行が楽だというのは2ちゃんねるのWIZARDRY8版Part3あたりでそんな感じの書きこみをみただけで、WEBPAGE作成者は実践していない。CDSの単独潜行は偉大なるジャガイモ長屋のじゃがいも先生が実行しておられた。最終的にクリアできたのか気になる.....)

Multi-Beginning & Multi-Ending

このゲームはBCFの続編である。そしてBCFのエンドデータを活用してマルチビギニングが楽しめる。また、CDS自体もマルチエンディングだ。そして8に繋げることが出来る。

その影響か、CDS全体としてとても難易度が高く、BCFの続きのデータで遊んで丁度良い難易度になってしまっている。(さすがにBCFの終了データのまんまというわけにはいかないので、レベルは下がるし、アイテムも高価なものは持ちこめる数に制限がある。それでもかなり有利だ。)8ではこの問題は解決されている。8でCDS続きのデータで遊ぶと、最初から敵が結構強いし、5000GP以上の価値のアイテムは持ちこむことができなくなっているようだ。

さて、肝心のCDSであるが様々なVERSIONが存在する。WEBPAGE作成者が推奨するのは

256色の出る国産パソコン版(PC-9821,FM-TOWNS)

9801版(16色)、TOWNS版とDOS/V版が先に発売され、9821版だけ遅れて発売されているようだ。これはどうやら日本語フォントを細かく、綺麗なものにするためだったと私は考える。じゃがいも先生曰く、「PC9821版は最高だけれどもバグだらけ」なのだそうである。

ローカス様、何故WIZARDRYコレクションのCDSは16色でFM音源のみの9801版ですか?

CDSを楽しみにして買う人は皆無だとお考えですか? 16色ジャネー。ちょっとネー。英語版のCDSでもいいから256色のを付けて欲しかったナー。それにDOS/V版とかTOWNS版もあるじゃん。どうして9801なんだかねー。(交渉するのが面倒くさかったんだろうけどね)

DOS/V版(TERADRIVE未対応って箱には書いてあるけど動く)

MCGA256色のREALMODEで動作する。マウスドライバなどを組み込んだ後では非常に起動条件が厳しい。 どうせだったらDOOMみたいにPROTECTED MODEのプログラムにすれば良かったのに。箱にはi386以上って書いてあるけど、実際にはi286でも動作するのである。遅いけどね。

これ、ワタクシは386マシンなかったのに(日本語版の)発売日に買いましたよ。英語版は既に持っていたんですが、当時の私の英語力ではマニュアルすら読めませんでした。286でも動いたから良かったけどね。後になってPENTIUM 90MHZのマシンで動かしてみたらオーバーフローしました。CPUのキャッシュとかを全部無効にしたら動いたんだけれど....めんどくさいんでアスキーに電話して対応フロッピーを送ってもらいました。今では広域的TCP/IP電子通信網があるからこんなめんどくさい事しなくていいんだけどね!

IBM/PC(英語版、ロシア語版)

同上の英語版。ただし日本語フォントを組み込む必要が無いので起動条件が緩やか。(日本語版より少ない空きメモリでも起動する)

これだけ。AMIGA版があれば最高なのだろうが、その存在をまだ確認していない。

じゃがいも先生曰く、「昔のLoginの記事によればAMIGA版は64色だそうです。」とのこと。ウーム、ちょっとがっかり。

ところでサウンドカードはCREATIVEだろうな?FM音源だけでは駄目だ。PCM音源もないと「パーン」とか「オゥ」とかの声がヘボヘボだぞ。

「WIZARDRY GOLDは駄目ですか?」

駄目。絶対駄目。不可。DAVEたん(David W Bradley)がプログラミングしてないんだよ?

おまけに音楽(music)もサウンド(sound)もSteve Miller氏でないんだよ。おまけにWinGですよ。

WinGだよ。あのDOOMでさえWinGだと糞だとおもったほどの糞SDKだよ。糞だね。糞。

起動にCD必要?なんだよこれ。あのカッコイイスプライトアニメが変に重いMOVIEに変わってるし...... プログラマの腕って本当に大事なんですね。とにかく、GOLDの出来の酷さはDOS版のCDSに泥を塗るものであった。

1999 WIZARDS & WARRIORS:この項目はまだまだ建設中です。

Sir-tech Softwareを退社し、OriginでCyberMageを手掛けたDavid W. Bradley氏(ブラッドリーと読むのかブラッドレーと読むのか議論が分かれる)は、その後Heuristic Parkに移り、Wizards & Warriorsを製作する。

最初はSWORD & SORCERYという名前だったんだけど、途中で変更したようだ。日本語版が製作されなかったので、日本でこれで遊んでいる人はPCゲーマーだけだろうな。

現在DVDボックスタイプに入ってる奴が廉価で売られているようなので、このPAGEをここまで閲覧されている方は手を出してみることをお勧めします。

これ、David Bradley氏の作ってきたゲームの中では一番簡単だと思います。おそらく「CDSが難しすぎる、こんなのよほどのハードコアCRPG野郎じゃないと最後まで行けない」という批判に応えたのでしょう。

ゲームの進行等とは直接関係する要素ではないのですが、戦っている最中に敵と会話できたりするところがとっても二重丸だと思います。そこらへんを徘徊するゴキブリとか、普通の鳥とかにも経験値が設定されていて、魔法攻撃が偶然命中したりすると死んで、経験値が貰えます。

普通のCRPGだったらオブジェとしか扱われないようなものにもちゃんといろんな事ができて、非常に新鮮でした。BCFでもCDSでもそうだったが、彼(D.W.Bradley)のゲームは公式宣伝に書かれていない箇所が無駄に凝っていて非常にすばらしい。

地形の起伏とか森の中の道とかが異様に本物っぽいのです。本物っぽいことは、わかりやすくないことの証明でもあるので、迷ってしまう人も続出するでしょうね。WIZ8とかだと公道がハッキリしていて変に冒険者に親切な道が多すぎて少々不満なのですけれども.....

欠点といえば戦闘が非常に簡単だと言うことです。ええ、簡単です。バッドステータス回復魔法を一通り憶えてしまえばこわいもんなしです。その代わり謎解きは結構難しいかもしれません。

あのD.W.Bradley独自のナレーションは健在

D.W.Bradley氏のゲームで一番の特徴である、あの独特の語り口はこのゲームでも健在です。

問題は、日本語化されなかったので、彼のナレーションの素晴らしさを私のような文盲のド厨房の糞馬鹿は8割ぐらいしか味わえないということです。意味は取れても....表現を味わうところまではなかなかいけません。キャラクターの台詞よりも氏のナレーションとかの方が英語の難易度は高いと思った方が良いでしょう。

ほぼ同時期にMight & Magic 8がリリースされているものの、Wizards & Warriorsの内容の方がずっと中身が濃いように感じられます。MM8みたいな起動して痛快、遊んでもっと痛快、というのはありませんけどね。

日本語のレビューは、ガウダさんがなかなか良くまとまったものをお書きになっています。

2001 WIZARDRY 8:この項目はまだ建設中です。

CDSの英語版が出てから9年の空白が空きました。その間にSir-techはソフトウェアの販売(PUBLISHING)をやめて開発(DEVELOPING)のみをするようになりました。DRUID(筋肉ムキムキの糞アドベンチャー)とかを出していたからこうなってしまったのでしょうか......WEBPAGEの作りは、現在よりも1995-6年ぐらいのものが丁度良かったと思います。こんな事だったらSIR-TECHのWEBPAGEが面白かった頃にちゃんと保存しておけば良かった....

副題が無いよ!!

英語版の箱の扉を開けると、でっかくこう書いてあります。Prepare to become a Godと、でもこれは副題じゃないですよね。日本語版の箱にはそんなこと書いてないし.....

基督教の勢力が強いところでGODとか簡単に書いて良いのかしらとか思いましたが、"the"じゃなくて"a"だから特に問題は無いです。

副題が無い理由は、おそらく開発途中にULTIMA9が発表になってしまって、被ってしまったのでしょう。(あくまで憶測の域を出ていないことですが)

しかし、日本語版は削除されていたけど、英語版には終了時に広告があるのです。本当に資金繰りに苦労したんだろうなあ。泣けるぜ。

しきんぐり
Producerが女性です

ProducerのLinda Currieはなんと、女性です。ゲームデザインの一部とマニュアルを担当しているBrenda (Garno) Brathwaiteも女性です。(彼女は1から8まで汎用電子計算機版のマニュアルを作りつづけてきました。)

日本では女性のPCゲームデザイナーやプロデューサーってあまり耳にしないですね。男社会なだけかな?

これって結構脅威的な事だと思います。WIZ8のプロデューサーとゲームデザインの一部を女性がやっているのです。WIZ8だよ。そこらにあるような味噌糞ゲームもどきじゃないよ!そういえばKING'S QUESTのデザイナーも女性ですね。「どうせ女が作るんだからライトでポップな3日で飽きるようなものしかできねえだろう」という認識は大間違いでした。土下座します。(でも、こういう女性は純粋に能力で勝負していて、女性性を生存戦略にしてないんだろうなあ.....)

そういえばAl-Sedexusの存在は凄かったですね。こんなインパクトのあるCHARACTERは日本のゲームでは絶対に出ません。(日本では、メス、女性は神聖なものとして扱うべし、という観念が頭の隅から足の先っぽまで染みているので、こういう女性の宗教的指導者が国を支配する事の恐ろしさというのは、絶対に描写されない。)

al-sedexus

是非とも糞尿恋愛CRPGに染まってる人はAl-Sedexusと交わって雌性の恐ろしさを体感してください。(実際にその手の人が、WIZ8をやったらマーズアタックの火星人みたいに脳味噌が破裂して死ぬので、このPAGEを読んでいる貴方のお友達にWIZ8をやらせてはいけません。)

Game Design

なんかSさんにまたもや決定版を書かれてしまったので、わざわざ私が新たに書き足す必要はないかも.....

まずはSさんがお書きになられた決定版の記事をじっくり閲覧してください。

WIZ8では、とにかく戦闘の素晴らしさに関心を奪われがちなのですけれども、それ以外の部分も味わって欲しいですね。

戦闘以外の点で素晴らしいのは、やはり世界観でしょう。D.W.BradleyがCDSで構築した独自の世界を、見事に引き継いで良い形で発展させてくれました。Linda Currieは女性なのによくやったと思います。若干、CDSの設定と矛盾を感じるところも無きにしも在らずでしたが、総監督が変わったんだから、総監督の感性に合わせてそれほど違和感を感じさせずに世界設定をいじったのが成功につながったのかもしれません。あの、DIAMOND RINGがああ!(BCFからCDS、8へと持ちこんだのに!)

diamond_ring

不満な点としては、CDSの後だとちょっとボリュームが少ないなあと感じてしまうことかもしれません。(とにかく、CDSはボリュームが凄かった。)密度は最高なのですけれど。戦闘の奥の深さを味わいたいがため、PARTY構成メンバーを入れ替えて何回も繰り返し遊べるので問題無いです。丁度「LEVEL7サークルの呪文も覚えたし、瞬殺も出るようになったぜ、オー!!」と盛り上がりが最高潮に達しているときに終わってしまうので、ちょっと残念かも。

加えてD.W.Bradley節のナレーションが完全になくなってしまったのです。図書室の棚を調べたり、計算機のディスプレイをクリックした時に表示されるシュールなメッセージが、絞り粕みたいなのを残していますが、BCFやCDSで猛威を振るったあのナレーションはなくなってますね。その代わり新しい地形に踏み入れたりすると性格を設定したキャラクタが練に練られた台詞を吐くようになっています。まあ他の人がD.W.Bradley氏のナレーションを真似してもうまくいかなかったでしょう。

D.W.Bradley氏のナレーションは訳がわからんという人も多いようですが、僕は大好きです。ナレーションにおいて隠喩や直喩を多用した表現が多発し、抽象的な表現の台詞をNPCが吐いたりするのが、国産CRPGプレイヤーのBCF以降の理解を阻害しているのだと思います。

WIZ8の特徴として、音声データの容量が多すぎるということがあります。重要でないNPCの声などもすべて収録されており、しゃべりまくりなんです。これは短所でもありますが、長所でもありますね。しゃべる御蔭で、T'Rangが「ティーラング」でなくて「トゥラーン」だった事が判ったし、Sを重複させるあの高度文明種族独特の発音を堪能できるわけです。Morrowindなんかですと長文の台詞はしゃべりません。

以下建設中

Sir-techが作ったものではないけれど和ゲーマーにはWIZARDRYであるかの如く認知されている作品群

WIZARDRY外伝1 女王の受難

おまけ

マニアには常識だがScenario1から5まで一部の国産パソコン版やIBM版は独自 OSで動作する。MS-DOSが下地で動いているわけではないのだ!! (main memoryが64kとか256kとかの時代に作られたので当然といえば当然。)

ちなみにInterplayのUltimate Wizardry Archive版(廉価版っぽい)はDOS上で 動作するScenario1-5があるが、これはTakeさんという凄腕の日本人プログラマが 自分で解析してDOS上で動くように工夫した 「WIZDOS」というプログラムがbaseになっているようです。

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